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震災から2年 バスツアーで見るいわき

2013年09月26日

【新唐人2013年09月26日付ニュース】二年前、東北部を襲った東日本大震災によって福島第一原発事故は引き起こされ、地元の農産物に甚大な被害をもたらしています。2年あまり経過した今、被災地はどのような状況なのでしょうか。バスツアーと一緒に現地取材をしました。

 

福島県南部に位置するいわき市は人口およそ32万人。農業と観光業が主な産業です。

 

2011年3月11日午後2時46分、マグニチュード9.0の大地震が東日本を襲ったとき、いわき市も3分10秒ほど強く揺れました。原発事故の後は、およそ15万人が他府県への非難を余儀なくされました。地震がもたらした被害はこれにとどまらず、原発事故以降は風評などの被害もあり、福島県の農産物は深刻な打撃を受けました。ほとんどの人が福島産の食品を敬遠するようになってしまったのです。

 

震災から2年後、我々は福島県いわき市を訪れました。

 

「皆さん、こんにちは。本日はちょっと特別な旅行をします。2011年3月11日、東日本では特大級の地震が発生し、それ以来福島県は原発事故の影響で、世界から注目を集めています。本日は福島県のいわき市にやってきました。この2年間で彼らが街の再生のために、どのような努力をしたのか見てみたいと思います」

 

2012年10月からいわき市は“見せるバスツアー”を定期的に開催し、市の取り組みをアピールしています。

 

いわき市見せる課 西丸さん

「私たち見せる課なんですが、先ずは農業分野の農産物について、風評被害を払拭する為に設置された課だったんですね。平成23年の10月1日に設立され、1年間農産物を中心に風評払拭の対策を進めてきました。昨年平成24年10月1日からは、農業分野ばかりではなくて、水産業や観光まで幅広く広めまして、いわき市の方の農産物や観光地に、ぜひ皆さん来ていただければという思いで、見せる課を設置させていただきました」

 

では西丸さんと共に、震災から2年経ったいわき市の農業にどのような変化が現れているのか、見てみましょう。

 

最初にやってきたのはこちら。菌床椎茸栽培場です。工場に入るには帽子を被らなければなりません。理事長の案内のもと、椎茸の菌の植え付けから成長、収穫、出荷までの全過程を見学しました。

 

昼食はご夫婦が経営するお店“彩花園”にやってきました。彩り取りの日本の伝統料理がつめられた和風弁当が用意されています。

 

皆美味しそうに食べています。思わず、よだれが出そうです。昼食の後、またバスに乗って30分間。やってきたのは果物農園です。

 

平石野菜生産組合代表理事 蛭田さん

「農協もどこもそうですけど、福島県いわき市も現場の生産物はちゃんと測定して、販売するように提供するようになっていますので」

 

では、いちごのお味は?

「とても柔らかくて、いつも食べている普通のイチゴとは違いますね。柔らかくてみずみずしい、しかもとても甘いです」

 

ほかにも、イチゴアイスやビスケットも試食しました。

 

最後にやってきたのはトマト栽培の助川農園。とても甘いこちらのトマトはご主人助川さんの自慢の作品です。ビニールハウスのビニール越しに降り注ぐ夕日が、トマトの木の葉っぱや枝を金色に染めています。ツアー参加者たちもご主人の説明に聞き入っています。では、これらの農産物の売れ行きは?

 

いわき市見せる課 西丸さん

「これまでの農産物については、普通に販売していたのですが、必ず検査をさせていただいて、検査で基準値を満たした物以外は、決して外に出さないということで、モニタリング検査をその都度、出荷の際にはさせていただいて、検査をパスしたものだけを販売させていただいております」

 

次は、農産物検査室のモニタリング検査の見学です。検査する野菜を洗ってから細かく刻み、この白い容器に入れ、検査機器の中に入れます。30分ほど待てば、食べられるかどうか、検査結果が出されます。安全のため、いわき市では放射線量が10ベクレル以下の食品のみを出荷販売しているそうです。厚生省が定めたガイドラインに基づくと、一般食品が受ける年間放射線量が1キロあたり100ベクレル未満の場合、人体にほとんど影響がないそうです。

 

いわき市は農産物の出荷までの過程を皆に見せ、消費者の不安を払拭する為に精力的に取り組んでいます。原発事故による影響から一日も早く脱却することを願っています。

 

いわき情報局特別委員 柳家小太郎さん

「やっぱりもっともっと多くの方に、こうやって参加していただいて、今のいわきがどうなのかという事を知っていただけたらと思っております」

 

ツアー参加者

「モニタリングのところまで見せるのは、あまりないように思ったので、そういうのを一回自分の目で見る、こういう風にやっているんだなというのを見るのもいいかなと思って加しました」

 

頑張れ!いわき。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/09/22/atext970995.html (中国語)

(翻訳/坂本 ナレーター/大口 映像編集/工)

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